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慢性痛と心の関係
慢性痛とは?
慢性痛とは?
痛みには2種類あります。
ひとつは急性痛と呼ばれるもので、原因から身体を守る反応の一つです。痛みに気づくことで、治療のきっかけとなり、原因になっているけがや病気が解消すれば、痛みもなくなります。
では慢性痛とはどのような状態でしょうか?
「慢性」というのは一般に3~6か月以上経過した症状を慢性症状とされます。
本来、急性痛は正しく信号を発するとからだは治癒へと向かいます。
これを自己治癒能力、自然治癒能力と言います。
この急性期の自然治癒能力が正しく反応せず長い期間症状を呈してしまったものそれが慢性痛です。
人間は長時間この痛みにさらされると防御反応を起こします。
これが筋肉のコリになったり関節の動きの制限になったりします。
一方で、こころにも防御反応が起こります。それは「不安」や「恐怖」「倦怠感」といった負の感情による防御反応です。
この不安や恐怖は慢性痛をさらに強化、助長させます。そうするとからだはまた防御反応を起こし、こころにブレーキをかけ続け延々とループから抜けだけない。そしてまた痛みに襲われる・・・。
そして、この状態により仕事やプライベートに影響を及ぼし満足な生活を送れない状態に陥るとうつ病かもしれない事をご存知でしょうか?
うつ病とは?
うつ病は、ストレスなど様々な原因により生じる、「こころ」と「体」の両方の症状からなる病気です。約16⼈に1人は、一生のうちに一度はうつ病にかかるといわれており、決してまれな病気ではありません。うつ病は「こころの風邪」ともいわれるぐらい誰にでも起きる病気ですが、風邪と比べて非常につらい症状で、仕事や学業・家事ができなくなるなど大きな影響を及ぼす病気です。
何もやる気が出ない(意欲低下)・悲しい気持ちになる(抑うつ気分)、否定的な思考に支配されるなどの「こころの症状」と、食欲がでない(食欲低下)・眠れない/起きられない(不眠/過眠)・体がだるい(倦怠感)・節々が痛む、腰痛・肩こり・背部痛、口が渇く・頭痛・動悸・めまいや耳鳴りなどの「体の症状」が現れる病気です。
主に心の病と思われがちですがこうしてみると体の症状が目立ちます。
一方で体の症状ばかりが目立ち、こころの症状がわかりにくい場合があります。
めまい・耳鳴り・頭痛・肩こり・手足のしびれなどで内科や整形外科などを受診して様々な検査を繰り返しても体に病気の原因が見つからない場合は、うつ病の可能性があります。こころの症状が目立たない場合には、患者自身も、その周りの家族もうつ病とは気づかずに、つらい症状に対して適切な治療ができずに、長い間苦しむことがあります。
体とこころは常に連動した関係にありどちらかが崩れると身体症状となって慢性腰痛や慢性肩こり原因不明の神経痛などを引き起こします。
うつ病とは?
どんな人に多いのか
どんな人に多いのか?
こころとからだの相互関係が崩れるのは以下のような方に多くみられます
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原因が不明である(きっかけがない場合もある)
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病院では異常がないと言われる
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年のせいだと言われる
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朝が特につらい、痛い
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ケガをしたわけでもないのに複数個所に症状がある
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日によって症状の強さや場所が変わる
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痛み止めが効かない
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理由もなく同じ症状を繰り返す
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天候によって左右される
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過去にぎっくり腰、ヘルニア、骨折、脱臼、手術、交通事故、など大きなケガをしたことがある。
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バランスの悪さが気になる、身体がかたむいている気がする
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最初は片側の症状だったが徐々に両側に広がってきた
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コルセットを毎日着けている
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冷え症
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肥満気味である
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食欲減少・増加がみられる
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不眠
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夜勤などで生活リズムが乱れている
よくみられる症状
良くみられる症状
体の症状
慢性腰痛、肩こり、神経痛、関節痛、不眠、過眠、食欲減少/過多、可動域制限、めまい、シビレ、頭痛、脱力、感覚障害、のどのつかえ感、吐き気、ふるえ、知覚過敏、
こころの症状
焦燥感、不安感、倦怠感、罪責感、些細な事が気になって頭から離れない、常に正しいことを求める、集中力が続かない、ミスが多くなる、
決断力が低下する、イライラすることが多くなり暴力的になる、
どんな治療法があるのか?
治療方法
慢性痛(うつ病)は脳の病気なので治療しないと悪化して治りにくくなったり、その後の社会生活に大きな悪影響を与えてしまったりしますので、なるべく早く治療を開始することが大切です。
慢性痛(うつ病)治療の四本柱は「休養」「環境調整」「薬物治療」「精神療法」です。
休養・環境調整
十分な休養をとって心と体を休ませることはうつ病治療の第一歩です。職場や学校、家庭などで受けるストレスを軽減できるように環境調整をしてみましょう。たとえば、職場での配置転換や残業時間を短縮してもらったり、家事を分担して手伝ってもらったりするとよいでしょう。
うつ病になる方の性格的な傾向として、生真面目で責任感があり自分に厳しい方が多いので、休養をとったり、環境調整をお願いしたりすることで職場や家族に迷惑をかけてしまうのではないかと考えてしまうかもしれませんが、焦らずに休養をとって、自分のできることを無理なくできる環境を作ることが回復への早道となります
薬物治療
うつ病の治療には休養や環境調整とあわせて薬による治療が欠かせません。現在、日本で用いられているおもなうつ病治療薬はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)と呼ばれる「抗うつ薬」です。そのほかにも患者さんの症状に合わせて「抗不安薬」「睡眠導入薬」「気分安定薬」「非定型抗精神病薬」などが使用されます。
精神療法
十分な休養・環境調整と薬物治療を組み合わせることでうつ病はかなり回復するといわれていますが、うつ病の原因となったストレスを振り返って対処法を学んで調子の良い状態を維持し、再発を防ぐ目的で行われるのが精神療法です。もっとも一般的なものに「認知行動療法」と「対人関係療法」があります。
うつ病になりやすいといわれている生真面目で責任感のある性格は、常識的で社会性があり本来好ましいものですが、いいかえれば、仕事などで手を抜くことができず完璧を求めてしまったり、過度に自分を責めてしまったりするためにストレスを感じやすい性格ということができます。
目標・ゴール
目標・ゴール
慢性痛は以下のような種類があります
①炎症や腫瘍などの病変が原因となっておこる痛み
②痛みを伝える神経の障害によっておこる痛み
③自律神経系の不調や筋肉が緊張することによっておこる痛み
④疼痛の存在でなんらかの報酬が得られそのために持続する痛み
⑤うつ病や転換性障害などのこころの病によって起こる痛み
この内①②は通常の施術や病院で処方される痛み止めが良く効き治癒に向かいます。
③④⑤に関わる痛みは痛み止めが思うような結果が得られないことが多いです。
ステップ1 ・悪循環からの脱出
こうした悪循環を断ち切るには、まず慢性痛に対する正しい知識を得て、不安を解消し、同時に少しずつ体力や気力が増して、今までよりも体を動かしやすくなります。
すると少しずつ痛みが軽くなり、最終的には気にならなくなり、本来の日常生活を取り戻していくことができるのです。
ステップ2 ・自身での認知修正の取得
次に、認知行動療法があります。慢性痛は脳が作り出すことが多いため、物事のとらえ方や考え方のパターンを変えて痛みに打ち勝つことを目的に行われます。具体的には、慢性痛が起こる仕組みや運動の重要性を学んだり、痛みが起こるときの状況や気持ちを記述するなどの方法が行われています。
薬は、痛みが強い場合に使います。ただし、薬がすべての痛みに効くわけではなく、長期に使うと副作用の心配もあるため、運動療法などの補助として考え、上手に使うことが大切です。
ステップ3 ・適宜フォローアップケア
痛みが長く続くと「痛みがあるから何もできない」という考え方になってしまう人が多くいます。
しかし、考え方を前向きにすることも大切です。「痛みはあったけれど、今日はこれができた」と考え、小さな成功体験を積み重ねていくと、自信がついて行動範囲を広げることができます。自分のしたいことや楽しいことを想像しながら、療養に取り組むようにするとよいでしょう。
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